2009年7月18日(土) 祇園祭-山鉾巡行-都市間連携


新型インフルエンザが神戸から発症例が見つかり、兵庫、大阪と拡がったことで観光をはじめ大きな損害がでていますが、その後発症例が全国的に拡がり、数も増えているにもかかわらず、街中にマスクがあふれる姿はなくなりました。従来型だと姿を潜める夏にもかかわらず感染例は確実に増えており、外出から帰った後のうがい、手洗いの励行をお願いします。

関西が大きな風評被害を受けたことで、少し前の定例記者会見の際に「せっかく神戸、京都、堺という政令市が固まっているエリアであり、それぞれの元気発信に役立つなら、祭に相互乗り入れという形で協力関係も含め発信したい」というような発言をしたところ、京都市から祇園祭山鉾巡行へ招待を受けました。

大学は同志社でしたので宵山や巡行も見たことはありましたが、初めて巡行の順番を確認する「くじ改め」の本部で門川市長、山田知事の後ろから見せていただくという貴重な経験をさせてもらうことができました。

祭自体は歴史の長さとともに公家・貴族のものであった発祥当時から、様々な変遷を経て現在のような形になったようですが、多くの町衆が「疫病退散」という思いをこめて鉾、山を曳く行事としての側面と、京都という歴史・文化溢れる町並みを悠然と進む姿は多くの観光客を満足させるすばらしいものです。

今「地方分権・地域主権」ということが大きな声で言われていますが、都市連携ということで近畿独特の京阪神に加え堺市が政令市であるというこの歴史豊かな土地からこそ地域主権のモデルが生まれると確信しています。

何かしら「権力争い」「議席争い」的な捉え方をされているようなこの間の「地域主権」問題ですが、道州制にしろ地方分権にしろ根本は「住みよい国」を作るにはという原点のはず。それがいわゆる「政争の具」にされようとしているのではという危うさを感じます。

大阪市は旧五大市の時代から、政令市の中でも飛びぬけた地域経済活動に支えられて発展をしてきた都市ではありますが、中央集権、東京一極集中が進むあまり置き去りにされながらも、地政学的、歴史的な中枢性からいわば「のほほん」と「市域」を守ることにだけ集中してきたのではないかという気もするんです。

インフルエンザで神戸祭が明日に日程変更になりましたが、近畿の政令市で共通ブースを出したり、矢田市長のお招きで4市長がそろうことになりそうです。地域のことは一番住民に近い基礎自治体が中心になるという「ニア・イズ・ベター」の精神で関西から「大都市圏州」の実態を模索する動きをはじめられればと思います。

8月22日「水都大阪2009」の開幕初日にも他の3市長にお声掛けしますので、今までにはなかった都市間連携の具体的な動きを始められそうです。