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2010年5月 2日(日) あぁ、イリュージョン(2)


30日のこの欄で、28日の知事定例会見での大阪市財政再建計画を練っているという発言に対し、市長定例会見としては異例の反論をさせていただいたことや、なぜ今反論するのかについて書き、その参考資料として2月22日の知事との意見交換会の記録へのリンクを貼りました。(前回ブログ参照)

私の反論については新聞数紙に掲載されましたが、当然、メディアの編集を経るので記者会見のトーンと、自分が言いたかったこととはややニュアンスが変わることは往々にしてあります。

これについてはメディア出身でもあり当然のことだと思っています。編集権というのは第4の権力ともいわれるメディアの存在意義であるし、弱者の視点に立って、より大きな権力のチェックをするからこそ「言論の自由」が守られるという構造になっていると教えられました。

自らの記者会見を振り返って、「あぁ、言いたいことをどういえば新聞、放送の記者の方にこちらの思っている情報の出し方ができるのだろうか、一方であらゆる情報を出すからこそ、各紙、各放送局でニュアンスの違いとなって表れるのだ」と、両者を経験している板挟み心理に悩む部分でもあります。

なら、丸々そのまま(といっても音声状態とか生で現場にいる臨場感ではありませんが)ゴールデンウィークで、もし、ゆっくりされている方があれば、全国自治体ホームページランキング(※)で1800ほどある自治体の中で、1位になった大阪市のホームページにアップされている市長定例会見の動画をご覧いただければと思い、前回の続きとして書いています。

この会見で言いたかったのは、橋下知事がさかんにおっしゃっている「大阪都構想」や「ワン・オーサカ」という耳触りのいいフレーズに、「あぁ、面白そうや」とだけで反応すると、あとあと大変なことになりますよという警鐘です。

つい反応してしまった経験として、「小泉劇場」と言われながら、連日「ワン・フレーズ」を新聞、放送が大きく取り上げ、内容については「またあとで…」ということを正面からとらえることなく、多くのメディアがあおり、それによって多くの国民にあたかも「キャッチフレーズ」で全てが変わるという幻想を抱かせてしまった極めて近い過去の経験があるからです。

小泉元総理大臣といえば「自民党をぶっ壊す」といった過激な発言など、ひと言で決めることから、私も当時すでに報道現場にはいませんでしたが、放送局に勤めていたことから「メディアで使いやすい」、視聴者には「受けやすい」珍しい政治家だなと感じたことを思い出します。

ウィキペディアで小泉さんを検索したら、その政治手法について、作家高村薫さんが文芸春秋の2001年8月号に書かれた「宰相小泉の空虚な語法」という評論のことがでていました。下に貼り付けさせていただきます。(注:これは高村さんの原文ママではありません)

【「分かりやすいと言われる小泉語法の特徴は、『簡潔』『断定』『すり替え』『繰り返し』の四つだ」と指摘している。そして、「文節の短い、簡潔な言葉は論旨を単純化する。単純は『断定』を生みがちであり、簡潔にはいかない複雑で微妙な事柄については、『繰り返し』や『すり替え』が起こり、最後はあいまいなままに置かれる」と結論づけて、「国会の議論が小泉語法によって歪められた」】

この高村さんの評論を紹介した文章は、今の「大阪都構想」、「ワン・オーサカ」構想にそのままあてはまる印象を持つのは私だけでしょうか。

だからこそ、「大阪市の財政再建問題は大阪市で懸命に努力している、それよりも大阪府が抱える財政問題で、なかなか府民には見えない「減債基金」の取り崩しについて、まず検証して頂きたい」という気持ちがこの会見の中心だという思いでした。

またリンクを貼ります。大阪市のホームページで市長定例会見の4月30日の会見動画です。画面の下にスライドバーがありますので、その5分27秒の時点から知事発言への疑問を呈し、後ほどの記者からの質疑応答でもかなりの部分が府市問題で占められています。
大阪市HP市長定例会見へのリンクです。http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu010/movie/mayor/index.html

※なお、下のリンクは自治体サイトランキング(ゴメス・コンサルティングの調査)です。

http://www.gomez.co.jp/ranking/government/index.html